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蔦の中で

徳澤青弦さんの演奏を聴きに福岡警固教会へ行って来ました。
福岡警固教会はびっしりと蔦の絡まるレトロな建物で、外観はほぼ緑一色。そのせいか、迷わないように数日前に下見に行った時、2回も前を素通りしてしまいました(私が方向音痴なせい?)中は昔ながらの教会の雰囲気。天井から吊り下がった丸い照明や、古いオルガンが素敵でしたし、照明を暗くすると左右の縦長の窓から蔦が透けて見えるのが何とも幻想的でした。ちょっと「うるう」っぽかったです。


満を持して小さなドアから徳澤さん登場。
やはり背が高い。でも、威圧感はない。かと言って、貧弱でもない。演奏中に骨っぽい腕が少しの無駄もなく動いているところに色気を感じました。やっぱり徳澤さんにはチェロが似合う。まるでチェロが身体の一部なんじゃないかと思ってしまうほどに。他の楽器じゃ演奏していてもこうはしっくりこないであろう。

今回の演奏会では、演奏された曲のほとんどがチェロと徳澤さんの足元の機械のみで演奏できるようアレンジされていました(機械は録音した演奏を再生したり、チェロの音を加工したりするのに使われていました)。そのため、知っている曲でも少し違った印象を受けました。「うるう」で彼の演奏を聞いた時以上にチェロという楽器の変幻自在っぷりを堪能できました。徳澤さんは音の使い方が効果的で上手いなあと思います。

前半はラーメンズのTOWER,鯨の中で使われた曲等。静かでゆったりとした曲が続きました。
その後、徳澤さんがおもむろにマイクを取り、一言。
「あの〜…、眠たい曲が…好きなんですよね。」
ここでお客さんがどっと湧き、会場全体に漂う緊張がほぐれたように思います。
寡黙な人かと思っていましたが、結構MCで喋ってくれました。話術は決して巧みではないんだけれども、マイペースにボソボソッと喋る一言一言が面白かったです。おとなしそうに見えるけど、口を開けば結構過激なことを言ってました。次第に徳澤さんがマイクを持つ度に今度は何を言ってくれるんだろう、と期待するようになっていきました。

その後はもう少し表情豊かな曲を演奏します。「SPOT」、「うるう」、新曲。誰に依頼されて書いたものでもない新曲「Type A」の名前の由来に笑ってしまった。私もその四分の一に入るんですけど…(笑)なんというか、フワフワした感じの曲でした。

徳澤さんの作る曲にはどれも情景があります。聴いていると頭に映像が浮かんでくるし、聴く前とは異なる感情が湧き上がってきます。賢太郎さんの舞台における彼の曲の役割はただのBGMの領域を超えていると思います。こんなことは私が今更書くまでもないことでしょうけど。演奏家としても作曲家としても素晴らしいってのは凄いことだと思う。

最後に無伴奏チェロ組曲。「鯨」で演奏されたことでお馴染みの曲です。バッハの曲というのは音を一つもおろそかにはできない、おろそかにしたら全てが水の泡になるという綱渡り的な所があると個人的には思うのですが(ピアノでバッハの曲を習っていた時の感想)、そんなバッハの曲でも徳澤さんのチェロは要所を捉えつつよく歌っていました。

アンコールで「うるう」でも演奏されたパッヘルベルのカノンを機械を使用せずチェロ一本で。高音中音低音の3種類以上の旋律を同時に曲芸のように演奏していたのは圧巻でした。

最後に司会者に促されて少し時間を置いて出てきてくれた時にはすっかりくつろぎモード。表情もややボーッとしていました。
期待通り!

そんな感じでありながらも、律儀に演奏会の最後を締めくくる挨拶をしてくれました。
最後まで楽しませてもらいました。

有難う、徳澤さん。
あっという間の1時間半でした。

ポツネンの音楽その2 ?DROP&SPOT?

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