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百物語

金曜日、夏の暑さとと会社の新体制に向けての準備でずっと忙しかったのとで、ついに頭が壊れました(まあ、元から頭の螺子は五本くらい外れているのだが)。

こんな時こそ……、そう、怪談です。
強い日差しで全ての輪郭がゆらゆらとぼやけ、色彩は歪み、影は黒々とその存在を主張する季節。 こういう時期には、理屈では説明できない不思議なものに触れ、疲れた脳をリフレッシュするのが一番。

という訳で、私の大大大好きな漫画家、杉浦日向子さんの「百物語」について書きたいと思います。

百物語 (新潮文庫)

百物語 (新潮文庫)

古より百物語と言う事の侍る

不思議なる物語の百話集う

必ずばけもの現われ出ずると

(冒頭の文章より)

百物語とは、真っ暗な部屋に数人が集まって順番に怖い話をするという、日本に古くから伝わる遊びです。怖い話を百話語り終えた時、化物が出現すると言われています。

上物の伽羅の線香を百本貰ったご隠居が、自分の家を訪れた人に一話ずつ物語を乞うて、話が終わる度に線香を立てていこうと思いつくところから物語は始まります。

この本は怪談ばかりを集めた短編集なのですが、あまり怖くはありません。はるか昔の話なのに、どこか懐かしい。不思議なものや怖いものが、江戸の日常にさりげなく同居しています。そして、今にも消え入りそうな淡く儚いものに注がれる、杉浦さんの丸みを帯びた優しい眼差しが、どの話にも感じられます。

人間の複雑な心の動きをわずかなコマだけでパッと見せてしまうのは、江戸の粋を知り尽くす杉浦さんならではの名人芸といったところ。人間の業の出てくる話でも、ドロドロしたり、説教臭くなったりせず、噛み締めるとふわりと滋味が広がるように淡く描かれています。無駄を極限まで省いてもぺらっぺらのスカスカにならず、物語に奥行を感じさせるように描ける。そこが彼女の凄いところだと思います。絵柄も線に色気があって私の好みです。

この夏、江戸の不思議と戯れてみてはいかがでしょうか。
なるべくなら一気に読んでしまわず、ちょっとずつ、何日かかけて読むことをお勧めします(私は一気に読んでしまいましたけどね)。辞書のように分厚い本ですが、話ごとにタッチや語り口を変えているので、最後まで飽きることなく読めますよ。

今日福岡市博物館の「幽霊妖怪画大全集」に行って来ました。幽霊や妖怪の絵を山ほど見ることができ、幸せなひとときを過ごせました。骸骨や妖怪達が嬉しそうに踊り狂っている絵の数々を見ていると、こっちのテンションも上がってくるというものです。杉浦さんの「百日紅」に登場する浮世絵師、渓斎英泉の幽霊画も展示されていました(生首を持った女性の幽霊の絵)。どうしたらあんな顔が描けるのか。狂気を感じさせる表情(特に目)が怖過ぎる:(;゙゚'ω゚'):うひゃ〜…。この絵を見ているだけで、大分涼しくなりました。

百日紅 (上) (ちくま文庫)

百日紅 (上) (ちくま文庫)

百日紅 (下) (ちくま文庫)

百日紅 (下) (ちくま文庫)

会場では、某大所帯アイドル集団にあやかった、YKI48総選挙なるものも開催されていました。参加するメンバーもかなりパンチが効いています。http://yurei-yokai-fukuoka.com/wp/?page_id=6これを企画し実行した方々の並々ならぬ気合がひしひしと伝わってきました。こういうことを真面目にやれる人が私は大好きです。