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うぶな雲は空で迷う

先週MONOのお芝居を観て来ました。5人の迷える男達が飛行船の中で繰り広げる会話劇です。
若干ネタバレしています。お近くで公演のある方は足を運ばれてみてはいかがでしょうか。





戦争後、海水は毒水と化し、小さな島々しか存在しなくなった荒廃した世界。
この世界には窃盗団がいくつもあり、スリルを求める少年の憧れにもなっています。

数百人規模の窃盗団から脱退したジャンボとトノヤマ。
3人で窃盗団をやっていたウマナミ、ニワ、キサラ。

5人は手を組み、一つの窃盗団としてやっていくことになります。
しかし、飛行船は小さな島に不時着。そこで、早速誰の責任かを巡って不毛な争いが始まります。
それが終わると、何となく2対3で分かれてしまったり、ジャンボとウマナミとニワが買い出しと調査を兼ねて出かけていった後、留守番のトノヤマとキサラのギクシャクしたやり取りが始まったりと(このシーンが一番好きかもしれない。間の取り方やキサラのコミュニケーションの下手くそさが物凄くリアルでした)、みんなホントにダメダメ。そこが愛おしくもあるんですけど。

財宝のある島への行き方を居酒屋の店員から聞き、5人はその島へ向けて出発したのですが…。

やっぱり5人はてんでバラバラ。お揃いのユニフォームを着ても形だけのこと(ユニフォームかっこいいけどね)。5人で窃盗団を結成してから何回も作戦会議を開き、ああしたいこうしたいと大きなことを語るばかりで、実際にはまだ何事も成し遂げてはいません。常に後ろ向き。長い間一緒に居ても、仲間のことを思いやろうとしないし、分かろうとしない。自分のことばっかり。

ラストは意外性のあるものではなかったのですが、これが一番現実的な終わり方だと私は思いました。
生きるか死ぬかギリギリの状況に立たされ、このままでは終わりたくないという思いが、5人の心を一つにしたのでしょう。窓から差し込む朝日に少しの希望を感じました。

世の中そうそう期待通りには行かないものです。自分は自分でしかないんだし。虚言症のジャンボはそれが嫌なんだろうな。だから理想の自分を夢見る。でも、そんな彼を私は嗤えない。彼の悲痛な言葉に思わず涙しそうになりました。


劇場で観てた時は小ネタで笑ってばかりいたのに、見終わるとズシッとくるものがありました。

♪ダダン ダ ダンダンダン! ズン!
ハ! ハ! ハ !((_( ゜0゜)_)