QLOOKアクセス解析

ボクらの時代

28日に放送された「ボクらの時代」(いとうせいこう×バカリズム×小林賢太郎)を観ました。それぞれ考え方や仕事のやり方がバラバラなのが興味深かった。

BGMに細野晴臣さんの「悲しみのラッキースター」や「イエローマジックカーニバル」、シュガーベイブの「SUGAR」などが使われていたのも嬉しかった。細野さんと大貫さんファンなので。

賢太郎さん、若干声が高めでしたね。声も張り気味だったし、民放モード?でも、よく笑っていたし、たくさん喋っていました。

知り合って長いはずなのに、一緒にテレビに出たのは初めての三人。最初は何を話したらいいんでしょうねえ?という感じで、なかなか話が始まりません。「以外に共通項が核心を突いて狭い可能性があって、笑いの話をするしかないけど、それが始まるとえらいことになるよ。手の内知ってるじゃん。」などと話すせいこうさん。「手の内知ってるし、言いたくないし。」と賢太郎さん。

じゃあ何を話すのかなと思っていたら、バカリズムさんの専門学校時代の話からスタートしました。三年間男子校だったバカリズムさんは、専門学校に入学してから女性のグループに入り込み、その中でマスコット的存在だったそうです。女性のとりとめのない話を延々聞いているのが好きなんだとか。それでバカリズムさんには姉の居る弟的な視点があるんだなあ、と思いました。

そんなバカリズムさんを「居たわそういう奴…。羨ましかったんだよ〜。」と羨ましがる賢太郎さんが可愛かった。目を細めてため息混じりで、口を尖らせてバカリズムさんの言葉に頷いたりして、本当に悔しそうでした。賢太郎さんは学生時代オタクだし、屁理屈ばっかり言ってたので、どこのグループにも入れてもらえなかったそうな。せいこうさんも高校時代にイケてなかったらしく、女の子と目が合わないように寄り目をして歩いていたそうです。う〜ん、自意識過剰だ。

バカリズムさんはせいこうさんの弟子になったら、きたろう一門で、三代目きたろうなんだそうです(笑)芸風が全然違うよ。賢太郎さんもせいこうさんのように次にバトンを渡すことに興味が出てきたと話していました。元日のmessageもその気持ちの表れかな。

それから創作活動の話に。バカリズムさんに「完成形が見えることはないですか?」と聞かれた賢太郎さんは、コント、舞台、パフォーミングアートをやったりしていて、同じジャンルが続くことはないので、舞台が終わった時には、別の作品の種ができている。完成形が見えることはないと答えます。

せいこうさんも同じタイプですが、一つの仕事に集中する賢太郎さんに対し、せいこうさんは複数の仕事を同時進行でやってしまいます。一日のうちの1,2時間で一つのことをやって、それ以外の時間を別のことに充てるそうです。それで全てのジャンルで結果を出せてしまうなんて、どんだけ優秀な脳みそなんだΣ(゚д゚lll)「脳の回路が別のところにビーっと行ってさ。」って言ってましたけど、そういう風に自在に切り替えられてしまうのでしょうね。ながらが上手だと時間が有効に使えていいなあ。切り替えて別のことをすることが、他の仕事にとってのプラスになったりもしているのでしょうね。この能力は彼が編集者気質ということが関係しているのだろうか。

賢太郎さんは、別のことをやろうとしても、書きかけの台本が気になって後ろめたくなってしまうそうです。バカリズムさんも同じで、今やっている仕事が気が気じゃなくなる方なんだそうです。

バカリズムさんは、とっかかりさえあれば何も見えてなくてもとりあえず台本を書く時があるそうです。意外とそっちのほうが進んだりするとも話していました。これはちょっと分かります。確かに、書いてみてはっきりしてくることってあるなあと私もブログを始めて見て思います(やってることのレベルは違うけど)。

賢太郎さんの書き方はかなり独特。メモを大量に作ったり、絵を書いたりして、シチュエーション、時間軸などの地図を作って、イメージを目に見えるようにしておいてから、一気に台詞を書き始めるというスタイル。
せいこうさんは賢太郎さんのやり方を映画のシナリオの書く人の脳みそに近いと言っていました。

賢太郎さんの場合は台本を書くっていうより、組み立てるって言葉の方が合っているような感じがします。筋とか流れとかで書いていくタイプではないです。自分が見せたいもの、面白いと思うものの間をパーツで繋いでいって、それをどう効果的に見せるか、いかに構造的に美しいものを作り出せるか、そこに重きを置いている感じがします。

はっきりとした物語や心理描写がなくて解釈を固定しない、モザイクのような複合体である賢太郎さんの作品に、人々は様々なものを見るのでしょうね。

「テレビに興味ないんですか?」とバカリズムさんから聞かれた賢太郎さんは、今までは舞台が難しいので他のことをやっている余裕がなかったけど、著作者っていう自覚が芽生えてきたので、お声がかかればTVに出てみようと思うようになってきた。IPPONグランプリからお声がかかった時も、TVに出ることのプロフェッショナルに敬意を表して、自分はテレビを観る側だったけど、ステージという枠以外で自分の著作物を観客に見せる機会があって、自分にできることがあれば。とか答えてました。ということは、これからまた民放に出る可能性があるってことか。出るとすれば、どんな番組に出るのかなあ。まあ、アドリブ勝負の番組とか、ひな壇に座るような番組には出ないだろうけど。

観客に受けることの醍醐味を嬉しそうに語る三人。「受ける」って麻薬だねえ。バカリズムさんは滑るのが怖くて舞台から逃げたことがあるそうです。それに対して、賢太郎さんは受ける滑る感覚が薄いかもしれないと言っていました。こうしたら滑るかもしれないからこうしようとか思わず、自分が面白いと思うものを書くのだとか。まあ客の反応に振り回されて台本がぐじゃぐじゃになったら本末転倒だもんな。

日曜日の朝にこんな話をしていて視聴者ついていけるのか?というバカリズムさんの指摘があり、賢太郎さんの提案で趣味の話に。「見仏記」を愛読しているので、せいこうさんからみうらじゅんさんの話が聞けて嬉しかったです。みうらさんに仏像を見に行こうと誘われたお陰で、せいこうさんは自分とは全く違う価値観を持つ信頼できる友人を得ることができたんですよね。不思議。50代になっても自分の周りに自分のすることにあれこれ言ってくれる人が居てくれるって貴重ですよね。

バカリズムさんの言うように、多趣味の秘訣は、肯定する脳みそなんでしょうね。
せいこうさんの「ツッコミは愛だからさ。」「上手に馬鹿って両方で言えるようになりたい。本当に否定する馬鹿と、本当に最高っていう馬鹿。」
名言です。

最後のせいこうさんの犬の悪霊を飼うというエピソード。何といってもこれが一番インパクトが強かったです。バカリズムさんからそれを聞いた賢太郎さんは目を丸くしてました。まあ、普通は祓ってもらうよね。悪霊を引き受け、乗り越えることに対して「俺できるかもしれない。」って思えてしまえるのがまず凄いし、その悪霊を腰痛をこらえているうちに飼い慣らしてしまうんだから。参りましたm( _ _ )m
人が忌み嫌うものまで受け入れ、面白がれてしまう積極性、これにはかないませんね。

なんにもしなくても楽しいことが向こう側からやって来ると思ってる人とか、ものごとの表面だけを見て否定的な意味で馬鹿としか言えない人は、自分で世界をせばめてしまってるんだなあ。自戒を込めて。