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徳澤青弦とトウヤマタケオライブ

福岡市警固のヌワラエリヤで行われた徳澤青弦さんとトウヤマタケオさんのライブに行ってきました。

ヌワラエリヤはスリランカカレーのお店です。店内は木造で、インテリアが凝っていました。本がたくさん置いてあるので、待つのも苦になりません。白ワインを注文し、本を読みながら飲んで開演を待ちました。

まず、トウヤマさんのソロ。
本棚の前のアップライトのピアノを弾き始めます。
このピアノが茶色で小さめで可愛かったのです。音の響きも音楽室のピアノのような懐かしい感じで好印象でした。

最初に「Amethyst」。タイトルは宝石のアメジストから付けたんでしょうか。個人的に雨上がりって感じがしました。ピアノの粒立つ音がキラキラした曲。トウヤマさんはこの曲を暗譜で弾いてました。
「Der Meteor」は、同タイトルのアニメのために作られた曲です。Der Meteorはドイツ語でほうき星の意味だそうです。youtubeで予告編だけなら観れるかも、とのこと。半音の使い方が妖しくて素晴らしい。濃密な闇をくぐり抜け、星屑をまき散らしながらゆっくりと落ちてくる巨大なほうき星。吸い込まれるような美しさと怖さがありました。この日演奏されたトウヤマさんの曲の中ではこの曲が一番好きです。それから「cloud」。天気の移り変わりを写実的に表している曲でした。

トウヤマさんが3曲弾いた後、徳澤さん登場。二人は3.11後に作られたコンピレーションアルバム「moss」に参加した時に知り合ったそうです。

次に徳澤さんのソロが始まります。「SPOT」の「intermission#5」「アナグラム前奏」。聴いてすぐに「The SPOT」の出口の見えないがらんどうな世界が頭に蘇ってきました。チェロの豊かな一音一音がこちらの血管にまで染み込んできて、感情を揺さぶられました。それから「tsu gi hug e」。単純で憂鬱なフレーズの反復が徐々に熱を帯びていきます。全体的に悲しみや行き場のなさを感じました。
 
続いて、トウヤマさんと徳澤さん二人での演奏。トウヤマさんは退屈な曲が好きなんだそうです。トウヤマさんが「退屈な曲ばかり作る現代音楽家がいるんですけど…」と名前が出てこないで困っていると、徳澤さんが「モートン・フェルドマン?」と作曲家の名前を挙げました。一発で当たりました。凄い。彼の曲は天国の退屈とか言われているそうです。

「ソフィア」は5拍子で面白い曲でした。途中からトウヤマさんのスキャットが入るのですが、変わった歌い方をするなあと思いました。声もそれなりに出ていたし、歌うのに向いている声質だし、音程もしっかりしていたんですけど、あんまり歌っているという感じがしませんでした。上手く歌おうとか、表現しようとか、俺を見てくれとかいう歌い手のエゴを全く感じませんでした。ふわっとした土っぽい声が空気に溶け込んで効果音のように鳴っているという印象。

それから、タイトルに背中にこぶのある召使いの名前が入っている「○○の水泳」。何だったっけ。Xメンのキャラ?名前をご存知の方がいらしたら教えて頂けると嬉しいです(>人<)静かな川で召使いがチャプチャプ泳いでいるような曲でした。

「らんちゅう」はチェロのピチカートの音がらんちゅうが水中でぷくぷく浮かぶ感じをよく表していました。明るくて色鮮やかな曲。江戸時代に金魚の品種改良が進んだと話すトウヤマさん。「鳥の品種改良も行われてたんだよなあ、何だっけ…。」とか言っていると、すかさず徳澤さんが「ひばりだったと思う」と答えてました。おお、流石。トウヤマさんは内田百輭が好きだそうです。同志(・∀・)人(・∀・)!鳥好きの百輭が火事の時に鳥かごと酒瓶を持って逃げたというエピソードを話してくれました。

私は楽譜がうっすらと読める位置で聴いていたのですが(ピアノ習ってたので、楽譜は読める)、何もかも楽譜に書き込まれていて、それに忠実に演奏するというスタイルではありませんでした。楽譜には主なフレーズと大体の進行が書かれているだけでした。曲によってはコードしか書かれていないのもありましたし、何やら言葉が書いてあるのもありました。

お二人は最近山の中のスタジオでレコーディングをしたそうで、その時に窓を開けた時と閉めた時で入ってくる音に違いはあるかとか、鳥の音はどうやったら録れるかとかいうことを気にしていたそうです。このライブの演奏中にも偶然鳩時計の音が鳴って、それが綺麗に音楽と調和していました。岡山のライブで演奏中に雷が鳴ったことを二人とも楽しそうに話していました。あらかじめかっちり作り込まずにその場で起きることを面白がり、上手く音楽に取り入れていくお二人の懐の深さを感じました。

贅沢なライブだったなあ。大変いい気分になって、ワインをお代わりしてしまったよ。翌日が「P+」だったので、2杯で我慢したけどね。
徳澤さん、トウヤマさん、有難うございました。

moss

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