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虚構とコミュニケーション

前々回の記事を書いていて思ったことなどを。

舞台は非日常の特殊な空間です。目を開けてみる夢です。日常生活であんなに大きな声で喋る人は居ないし、ハリボテのセットで実際に暮らしている人も居ない。しかし、上演時間中は舞台上に居る人達がそこで生きていると思って私達は観ている。舞台上に居る人達を通して、私達は自分以外の人生を擬似体験しているのです。暗闇の客席で他のお客さんと反応を共有しながら。舞台の演者とリアルタイムで無言のやり取りをしているのです。

前々回はP+を観て感じたことをネットの世界で表現してみたのですが、やはりネットと舞台は違うなあと思いました。ネットでのコミュニケーションって書き言葉で行われるのが主流だと思いますけど、思ったことを無機質な文字でしか表現できませんし、どんなに素早く相手の言葉に反応したとしても書き込んでいる間にちょっと時間差が生じますしね。相手の文章を読んでいる間は完全なる受身だし。文字で書かれた言葉以外のこと、表情とか、仕草とか、声とか、リズムとか、空気とかから伝わる情報って結構大きいと思います。会ってちょっと話せば分かることが、メールだと何往復もやり取りしないと分からない、微妙なニュアンスが伝わらないって経験をしたことはないでしょうか。私はあります。

ネットって便利なんですけど、ものぐさで筆不精で一人でいるのが大好きな私の気質もあって、十代の頃から使っているというのに未だに使いこなせていませんね。現実にも人の意識(多分無意識にも)にも結びついていて、誰とでも繋がれるけど匿名性が強くて、そういう所に火を見て怖がる原始人のような恐怖を未だにうっすらと感じています。

誰でもないし、誰でもあるというのは心地よいことでもあります。
そう、ネットの世界じゃ私も虚構なんですよ…。