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ループの舞台

5月になりました。
賢太郎さんの誕生日はいつの間にか終わってしまいました。
おめでとうございます。もう41歳ですか。時間が経つのは早いなあ。。

賢太郎さんは若書きの作家だと私は思います。「うるう」などは凄い作品ですけど、小林賢太郎の代表作は何かと問われれば、やはり20代~30代前半に作られた作品を挙げる人が圧倒的に多いでしょう。40代になり、これから先代表作と呼べるものは作られるのか。40歳までは下積みのつもりで頑張ってきたと本人は言っていますけど、今まで作り貯めてきた引き出しをどう使っていくのでしょうか。今までの鋳型から抜け出すのか、それとも抜け出さずにガラパゴス的な進化を遂げるか。そういうところに私は興味があります。

最近のmessageやインタビューを読んでいて、この人はこれからも、おそらく死ぬ直前まで休むことなく走り続けるのだろうなと思いました。年老いて体力や足腰が衰え、目が霞み、歯が抜け、声が出なくなって、醜態を晒しながらも作り続けるのもまた一興。若い頃にはない何らかの味わいが生まれてくるのではと思っています。

役者というのは特殊な仕事で、公演の期間中は同じ人生を何十回とループしているようなものです。「まどマギ」の暁美ほむらや「バタフライ・エフェクト」のエヴァンを思い浮かべてもらうと分かりやすいでしょうか。あれに近い体験を公演中の役者さんはしているわけです。愛する者を守るため一人でループし続けるほむらやエヴァンと違い、役者は共演者やスタッフと共にループを繰り返します。そして、回を重ねるたびに彼らとの関係も深まり、その影響も作品に表れていくのです。


魔法少女まどかマギカ PV - YouTube


「バタフライ・エフェクト」予告編 - YouTube

そういう濃密な体験をしていれば、誕生日とか趣味なんてどうでもよくなるのかもしれません。
まして賢太郎さんは役を演じるだけでなく、脚本を書いたり演出したり絵を書いたりするので、虚構との関わりはより深くなります。作品を作って人に見せることに強い快感を覚えているならばなおのこと。まどマギの設定を使って無理矢理解釈すると、賢太郎さんは「自分の作品でお客さんを笑わせたい」という強い祈りを叶える対価として、自分のことを顧みないという因果を背負った、ということになりますかね。まあ、実際のところは分からないですよ。私は賢太郎さん本人ではないし、知り合いでもないので。

いよいよ5月21日から「ノケモノノケモノ」の公演が始まります。
イープラスのあの写真が今回のフライヤーになるのでしょうか。にぎやかだけれども不穏なものを感じさせる写真ですね。パッと見「ライオンキング」に見えるのですが、よく見ると寒いところに住む動物や海の動物が混じっています。それでなんとなく動物園的なものを感じて、昔読んだテネシー・ウィリアムズの「ガラスの動物園」が頭に浮かびました。この戯曲の登場人物たちが「振り子とチーズケーキ」の主人公に似てるんですよね。みんな現実を見ずに理想ばかりを追い求めています。結末はとてもシビアですよ。

そういえば、こういうバッドエンドの作品ってポツネンにはあるけどKKPにはないですね。良くも悪くも登場人物に対しても観客に対しても優しいんだよな。

別にバッドエンドでなくてもいいです。多少破綻していても構わないので、もっとぶっ飛んだKKPが観たいなあと思います。賢太郎さんは「ノケモノノケモノ」のことを物語のスケールがバカデカイと言っていましたけど、さてどんな感じになるのでしょうか。

ガラスの動物園 (新潮文庫)

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