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ノケモノノケモノ①消える

「ノケモノノケモノ」のレポです。
ネタバレしてます。未見の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

舞台には、大きな屏風状のパネルが一つと、椅子にできる大きさの箱が二つ。このパネルが形を変え、映像を映し出され、大活躍します。

獣ヶ淵という田舎のバス停の前に男が二人。ハラミヤ(音尾さん)と部下のオノベ(辻本さん)は、大手自動車会社KRM自動車の社員。工場設置のため地主の老人のもとへ交渉しに来たのですが、自然破壊になるという理由で反対されてしまいます。バス停で帰りのバスを待っているのに、なかなかバスは来ません。オノベが帰りのタクシーを手配していなかったことを責めるハラミヤ。ハラミヤはタクシーを手配しろとは一言も言っていないにも関わらず、オノベが察してくれることを要求します。

バス停の前には小川があり、オノベは蛙を捕まえて遊んでいます。この小川の水の表現が、透明感があってキラキラしていてすごく綺麗でした。正体は舞台と客席の境目の黒い箱に入っている紙吹雪なんですけどね。オノベが水を飲んでいるのも美味しそうに見えました。オノベが蛙を触った手で携帯を触るのをハラミヤは嫌がります。

田舎育ちであるオノベをハラミヤは馬鹿にしますが、オノベに出身地がスイスと言われると何も言えなくなり、微妙な空気に。オノベはタクシーを呼ぶために先ほどの老人の家に行ってしまいます。

そこへ、白いスーツを来た男、イルマ(賢太郎さん)が登場。片手にビスケットの箱を持ち、無表情でもぐもぐと食べています。登場した瞬間から怪しさ全開でした。観客の違和感を感じ取るセンサーを刺激しまくり。

イルマは創造主が生き物を作る順番を説明します。

小屋の中には、創造主(辻本さん)とその助手(高橋さん)が居ます。創造主の顔の周りはひまわりの花びらのようなもので縁どられ、左右には太陽と月がモビールのように吊るされています。棚の上には様々な生き物のパーツが並べて置いてあります。

最初に、特徴のある生き物
それから、あまり特徴のない生き物
最後に、余り物の寄せ集めの変な生き物

このような感じで、哺乳類、鳥類、植物などを作っていく様子が絵本のような形でパネルに映し出されていました。作業が一段落するたんびに飲みに行こうとする創造主を助手は止めます。この創造主は、ちっちゃくて、生き物を作るのを楽しんでいて、のんきで気まぐれ。私のイメージする創造主とはだいぶ違っていました

余り物で作られた生き物をハラミヤはかわいそうだと言います。イルマは何故かハラミヤのことを知っていました。ハラミヤがイルマからもらったカメレオンの形のビスケットは、カメレオン味でした。

イルマがやって来たバスに手を当てると、バスの模様が次々に変化していき、最後に元通りになります。

いつの間にかバスに乗っているハラミヤとイルマ。イルマの帽子には角が生えていました。窓からはオノベがバスを追いかけているのが見えましたが、やがて消えてしまいます。運転手(高橋さん)にバスの系統を尋ねると、生き物の進化の系統図を見せられます。

ハラミヤが降りようとしてボタンを押すと、動物の鳴き声が聞こえます。そのうち窓の外には巨大な怪獣のような生き物が見えてきます。

イルマに行き止まりまで行けば戻れると言われ、ハラミヤはしぶしぶ行き止まりまで行くことにします。バスの料金は420円。ただし、日本円ではありません。イルマは運転手と日本語ではない会話を交わしています。下ネタ中心の会話のようですが、意味がわかりません。

辿り着いた街を見て、夢か死後の世界と思うハラミヤ。イルマの語尾の「です」(=death)「し」(=死)「だい」(=die)に過剰に反応!イルマを天使か悪魔のようだと言います。イルマはここは生き物が生まれていくための港のようなものだと説明。

イルマはハラミヤに蕎麦をご馳走するため、蕎麦屋に連れて行きます。ハラミヤのそれよりバス代を払ってくださいという発言は無視(笑)

蕎麦屋でイルマと店員のシミズ(辻本さん)が交わす言葉がハラミヤには理解できません。また、メニューも読めないので注文できません。イルマに分かるふりをしてごらんなさいと言われ、ハラミヤは自分に話しかけてくるシミズの言葉を分かるふりをしてみます。すると、彼等の言葉が分かるようになり、メニューも読めるようになりました。しかし、何といっているのかは分かりますが、何を言っているかは分かりません。

そのうち、シミズと出前から帰ってきた店員ハシモト(高橋さん)が揉め始めるのですが、イルマの仲裁により、何が起きているのかハラミヤには理解できないうちに仲直り。他人に合わせようとしてるのに取り残されてしまう孤独。ハラミヤは現実世界でも似たような孤独を感じることがあったのかもしれませんね。

雨が降ってきて、ハシモトは「狐の嫁入りだ」と言います。
ハシモトは動物の名前の入った慣用句の中で、それだけは理解できました。

たぬきそばには揚げ玉ではなく本物の狸、わんこそばには犬が入っていることを知ったハラミヤ。結局、名物のケモノそばを注文します。それは、大きな蓋付きのどんぶりに入れられて登場。蓋とどんぶりの間からは、黒い毛がはみ出し、鋭い目がのぞいています…。

図書館にやって来たイルマとハラミヤ。図書館の前には二人の門番(辻本さん、高橋さん)が立っています。イルマは中に入れてもらえたのに、ハラミヤは門番から入ることを許されません。ハラミヤが何を言っても、門番は「さよう」と「ならぬ」しか言いません。無理やり入ろうとしても、門番が持っているXとYの形の杖で阻まれてしまいます。ということは、この図書館は受精した卵子のようなものなのかな。受精した卵子が他の精子(DNA)の侵入を拒むような感じで、ハラミヤは入るのを拒まれたのかもしれません。イルマがすんなりと中に入ることができたのは何故なんでしょうね。設計図がないから入るのを許されたのでしょうか。それとも、時を止める能力を使ったのでしょうか…?

戻って来たイルマが門番と交渉し、ハラミヤは近道から中に入れてもらえることになりました。図書館の形がパーツをルービックキューブのようにずらされることでちょっとずつ変わっていくのですが、最終的には元通りになります。でも、それは見た目だけで、入口はちゃんと近道へと通じていました。去っていく門番はおじいちゃんのようにヨボヨボ。これなら無理矢理入れたのではないかとハラミヤは拍子抜けします。

図書館にはあらゆる生き物の一生の設計図が保管されています。人間の設計図は現在70億冊。イルマはその全てを読んだそうです。イルマは人間の棚の中からハラミヤの設計図を取り出し、読み始めます。
小さい頃から車が好きで、ミニカーを集めていた。
13歳の時、文化祭で学級委員の秋山さんと…(13歳なのに!13歳なのに!と茶化すイルマ)。
15歳の時、集めていた500台のミニカーを捨てた。文集には興味がないのに趣味は洋楽と書いた。

イルマに続きを読まれることに耐えられなくなったハラミヤは、「やめろ!」と叫んでその場から逃げ出します。それから何度も同じ所を通り、その度に魚の入った籠を背負った二足歩行のカモノハシとすれ違います。

<つづく>